プラスチック染色の背景
人類は古くからシルク、ウール、あるいは麻、綿などを、植物、昆虫、貝などから得た天然染料で染色してきました。
20世紀になり、合成繊維であるレーヨン、ナイロンなどが発明され、染料も合成されたものが使用されるようになりました。
プラスチックを染めるという試みも一部ではありましたが、塩素系や石油系の溶剤を使用するなど、実用的なものではありませんでした。
さらに、鍋や釜で染めるという試みもされてはいますが、染色できる樹脂が限られており、一部では臭いのある塩素系化合物の使用、染色した部品に白残りや色ムラが発生する、など商品価値としては低いものでした。
染色装置開発の目的
プラスチック染色の価値を高めたい!
あらゆる分野で使用できる染色部品を開発したい!
25年前のムラカミの目標でした。
単に色がつくというだけでは部品には使ってもらえません。
美しく染まり、規制物質を使用せず、臭いも残らない染色方法・・・
様々な条件を満たす開発をすることが必要なのです。
そのためには、染色技術だけでなく、オリジナルな染色装置の開発が必要と確信しました。
染色技術と染色装置の融合
産業としてのプラスチック染色を考えた時、鍋や釜で染めるわけにはいきません。
染めるたびに、違った色になるようでは産業部品としては失格です。
毎回、同じような染色が出来るにはどうしたらいいか?
染色時間や染色温度を人間の感や経験に頼ることなく・・・
機械的に自動的にコントロールできること・・・
排水や給水も自動でコントロールできること・・・
毎回同じ染色条件で染色が出来ること・・・
試行錯誤を繰り返し、何台もの試作装置を作りました。
改良を重ね、ようやくオリジナルな自動化された染色装置を開発することに成功しました。
現在、産業レベルでの実用的なプラスチック染色を可能なものにしたのは、弊社ムラカミで培った「染色技術の積み重ね」と樹脂染色に特化した「新規格の染色装置」の融合の結果です。
従来(鍋・釜)での染色 | ムラカミオリジナル染色 |
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色ムラや白残りあり | 色ムラや白残りなし |
染色不可能な樹脂も多い | ほぼすべての樹脂が染色可能 |
色の再現性が困難 | 指定色への調色可能 |
美しい染色困難 | 美しく染色可能 |
リピート時再現不安定 | リピート時再現安定 |
大量・大型の染色困難 | 大量・大型の染色安定 |
高温・多湿の危険な作業 | 何重もの安全装置あり |
弊社オリジナル「MTPプラスチック染色」
MTPプラスチック染色は、登録した作業プログラミングに基づき、前工程から、染色、後工程まで自動化した染色技術です。
人間の【勘】や【経験】に頼る手作業だけの染色では実現できなかった染色を可能にしました。
徹底した温度管理・水量管理・時間管理などの多くの工程をプログラム化し自動で行うため、
色ムラや白残りもなく、リピート時の再現性や調色(色合わせ)機能も抜群です。
また、オリジナルで特殊な内部構造によって、「スーパーエンプラ樹脂」や「フッ素樹脂」まで染色が可能となりました。
タイプが違う染色装置を6台保有
- 最大サイズのMTP-V6タイプは、約400Lの容量に対応
- 最長サイズのMTP-V4タイプは、約1000ミリ長の長さに対応
ご依頼の成形品の大きさや長さに最適な染色装置を使用します。
また、新たな機能を充実させた染色装置の開発にも取り組んでいます。
詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。